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10ギガ高速回線(光クロス)にする前に知っておきたい事

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10ギガ光クロスで速度が出ない?契約前に知るべき大事な事

「夢の10ギガ回線のはずが、なぜか速度が全然出ない…」

オンラインゲームでのラグ、4K動画の読み込み待ち、家族全員がネットを使う週末の夜。そんな通信速度のストレスから解放されたい一心で、乗り換えた新しい高速光回線「10ギガ光クロス」なのに予想外に速度がでない・・・。こんなお問合せを良くいただきます。

そうなんです。光回線の契約を変えても、自宅の設備が整っていないと光クロスは十分なスピードが出ません!

今回は、よくお問合せを頂く、10ギガ光クロスを導入し、「期待した速度が出ない」という壁にぶつかっている人たちが、事前に準備していなかった事や、注意すべき点などをまとめてお伝えします。また申込手順やプロバイダの変更など快適な10ギガ回線への移行手順をご紹介します。

この記事を読めば、あなたはただ10ギガ光クロスのメリットを知るだけでなく、

  • 多くの人が見落とす「速度が出ない」原因と具体的な解決策
  • 契約後に後悔しないための、本当に必要な準備と確認事項
  • あなたの環境で10ギガの性能を100%引き出すための周辺機器選び

これら全てを理解し、最短ルートで快適なインターネット環境を手に入れることができます。

そもそも10ギガ光クロスとは?従来の光ネクスト(1Gbps)との違いをサクッと解説

すでにご存知の方も多いかもしれませんが、まずは基本からおさらいしましょう。

「10ギガ光クロス(NTTではフレッツ 光クロス)」とは、その名の通り、最大通信速度が概ね10Gbpsの光回線サービスのことです。これまで主流だった「光ネクスト(フレッツ光ネキサス)」の最大速度が1Gbpsだったので、単純計算でスペック上は10倍の速さを誇ります。

項目10ギガ光クロス光ネクスト(1Gbps)
最大通信速度(理論値)概ね10Gbps1Gbps
月額料金(目安)6,000円~7,000円台4,000円~5,000円台
得意なこと大容量データの送受信、複数人での同時利用日常的なWeb閲覧、動画視聴

意外と勘違いしている通信速度bps

ちなみに、10GB(ギガバイト)と10Gbps(ギガビット・パー・セカンド)は意味が全く違いますので注意してください。意外と勘違いしている。たまにこんな話を聞きます。

「うちの回線は10G(ギガ)の回線だから、理論値では、1秒間に10ギガバイトの動画を送ることができるはず・・・」

これ、間違いです。10Gbpsとは、10ギガビットのデータ量を送れるというものです。1B(バイト)=8bit(ビット)となりますので、10Gbpsの回線というのは、GB(ギガバイト)にすると、1.25GB(ギガバイト)ですので、1秒間に送信できる最大理論値は1.25GBという事になります。

理論値は10倍!でも実測値はそこまで出ない?

ここで重要なのが、10Gbpsはあくまでも「理論値」であるという点です。実際にご家庭で利用する際の速度(実測値)は、プロバイダの設備、自宅の通信機器、利用する時間帯など、様々な要因によって変動します。

とはいえ、環境さえ整えれば、従来の1Gbps回線とは比較にならない速度を体感できるのが10ギガ光クロスの最大の魅力です。

こんな人におすすめ!10ギガ光クロスの恩恵を最大限受けられる利用シーン

  • オンラインゲーマー: アップデートファイルのダウンロードが瞬時に終わり、プレイ中のラグや遅延を極限まで減らしたい方。
  • 動画配信者・クリエイター: 4K/8Kといった高画質な動画のアップロードや、大容量の生配信を安定して行いたい方。
  • 大家族・ヘビーユーザー: 家族それぞれが同時に高画質動画の視聴、オンライン会議、ゲームなどをしても、誰も速度低下を感じさせたくないご家庭。

総務省の調査によると、国内のデータ通信量は年々増加の一途をたどっており、今後さらに高速な通信環境の需要が高まることは間違いありません。(※出典: 総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」)

10ギガ光クロスを契約したのに速度が出なかった3つの罠

さて、ここからが本題です。意気揚々と10ギガ光クロスを導入した人たちが、なぜ「全然スピードが上がらない」という状況に陥ってしまったのか。その原因となった「3つの罠」を共有します。

罠1:Wi-Fiルーターが「10G対応」ではなかった

開通工事が完了し、早速速度を測定。しかし、結果は何度やっても200Mbps前後。1Gbpsの壁を全く超えません。「なぜだ…?」。まず最初はWi-Fiルーターです。

使っていたルーターは「最新のWi-Fi 6対応」を謳う比較的新しいモデルでした。しかし、スペックをよくよく確認すると、Wi-Fiの通信速度は速いものの、インターネットの入り口である「WANポート」が1Gbpsまでしか対応していなかったのです。

これでは、いくら回線が10Gbpsでも、ルーターで1Gbpsに制限されてしまいます。まさに「宝の持ち腐れ」という事になってしまいます。ルーターも光クロス対応にしなければ意味がないのです。

10G対応のルーターは、まだ数が少ないモノの、比較的低価格のものも出始めました。

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罠2:見落としがちなLANケーブルの「カテゴリ」とHUB

ルーターを「WAN/LANポート共に10G対応」のモデルに買い替え、これで万事解決!とはなりません。有線接続でも速度がでない。次に重要なのはケーブルです。LANケーブルは何でも同じというわけではありません。このケーブルの通信速度は非常に重要です。

以下、LANケーブルの種類ですが、多くの人が現在カテゴリ5eまはたカテゴリ6を利用しているのではないでしょうか。ルーターなどに付属のものや、安いLANケーブルはそのあたりですが、CAT7あたりからはそこそこ値がはってきます。

LANケーブルのカテゴリ最大通信速度
カテゴリ5e (CAT5e)1Gbps
カテゴリ6 (CAT6)1Gbps
カテゴリ6A (CAT6A)10Gbps
カテゴリ7 (CAT7)10Gbps
カテゴリ8(CAT8)40Gbps

10ギガの速度を発揮するには、最低でも「カテゴリ6A(CAT6A)」以上のケーブルが必要不可欠です。できればさらにその上のCAT7辺りを利用するのが最適です。今後の事も考えたら先行投資でCAT8を買っておくのも良いでしょう。

エレコム LANケーブル CAT8 7m 40Gbps 爪折れ防止 メッシュケーブル ブラック ECLD-OCM/BK70

  • 高速光通信に適した40ギガビットイーサネットの「40GBASE-T」に準拠した、Cat8準拠LANケーブルのメッシュタイプです。
  • Cat6の8倍である2000MHzまでの高周波帯域まで対応し、ノイズ干渉にも強く、高速で安定したネットワーク環境を実現します。
  • 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T/1000BASE-TX/10GBASE-T/40GBASE-Tの環境で安定したデータ転送速度を確保します。

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さらにHUBも重要

そして、ただの分配器と思われがちな「HUB(ハブ)」も10GB対応のものに変更しないと、スピードが出ません。自宅に複数台パソコンがある方は、このLANケーブルの分配器HUBを用いていると思います。昔からHUBを使っていると、古いものだと10/100Mbps なんていう1Gbpsの10分の1のスピードしかでないものを使っている場合もありますので、注意です。ただ、10GB対応のHUBはまだ非常に高価なものが多いです。

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  • [5x 10Gbpsポート] 5つの10ギガビットポートは、10G/マルチギガ帯域幅およびデバイスの最高性能を引き出し、最大100Gbpsの容量を提供します。
  • [超高速通信] 10G NAS、サーバー、10G PCIeアダプター/NIC、ゲーム用コンピューター、2.5G/5G/10G WiFi 6 AP、8Kビデオなどへの超高速接続環境を構築します。
  • [5段階の接続] 5段階(100Mbps/1G/2.5G/5G/10G)接続。オートネゴシエーションにより、パフォーマンスを最適化します。

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罠3:PCやスマホ側のスペック不足(NIC、Wi-Fi規格)

最終関門は、接続するパソコンやスマートフォンそのものです。

  • 有線接続の場合: パソコンのLANポート(NIC: ネットワークインターフェースカード)が10Gbps(10GBASE-T)に対応している必要があります。多くの一般的なPCは1Gbpsまでしか対応していません。
  • 無線接続(Wi-Fi)の場合: 最新のWi-Fi規格「Wi-Fi 6E」や「Wi-Fi 7」に対応していないと、数Gbpsという速度を無線で享受するのは困難です。

現行のパソコンでもなかなか10Gbps対応のLANカードを標準搭載しているものは少ないため、スモールシャーシやタワー型のパソコンであれば、PCIバスを使ったLANカードを追加で入れることになります。

XZSNET 10Gb PCI-E LANカード、Intel X540チップ搭載, Intel X540-T2互換, 10G デュアルRJ45ポート NICネットワークカード, PCI Express X8 イーサネットアダプターWindows/Windows Server/Linux/FreeBSD/VMware ESXiをサポート,PCサーバ用

  • 安定したコントローラー:XZSNET 10Gb LANカードはオリジナルのIntel X540コントローラーチップを搭載しており、スマートなオフロードをサポートし、サーバーをより安定させます。 Intel X540-T2に対応。
  • 幅広い互換性:この10G NIC ネットワークカードはWindows 7/8/8.1/10/Vista, Windows Server 2003/ 2008/ 2012/2016/2019, Linux, Centos/RHEL 6/7/8, Ubuntu 16/18/19/20, Debian 9/10/11, FreeBSD 10/11/12, Vmware ESX/Esxi 5/6/7, SLSE 11/12などに対応します。
  • ネットワーク接続:この100Mbps/1Gbps/10Gbs PCI Expressネットワークカードは、デュアルRJ45ポート、最大55mのCAT6/CAT7(CAT6Aは最大100m)接続が可能で、データセンター環境の需要を満たします。

価格: 11599.00

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後悔しないための乗り換えガイド|契約前に確認すべき7つのチェックリスト

あなたが10ギガ光クロスを契約する前に、必ず確認してほしい項目をチェックリストにまとめました。

✅ 1. 提供エリアに入っているか?

最も基本的なことですが、10ギガ光クロスはまだ全国の隅々まで普及しているわけではありません。NTT東日本・西日本や、各光コラボ事業者の公式サイトで、自宅の住所が提供エリアに含まれているか必ず確認しましょう。

✅ 2. マンション・集合住宅の対応状況は?

マンションの場合、建物全体の設備が10ギガに対応している必要があります。未対応の場合は、管理組合や大家さんに導入を働きかけるか、戸建てプランを個別に引き込むなどの交渉が必要になる場合があります。

✅ 3. 月額料金はいくら上がる?料金シミュレーション

10ギガプランは、従来の1Gbpsプランに比べて月額1,000円~2,000円ほど高くなるのが一般的です。そのコストを支払ってでも、速度のメリットを享受したいか、冷静に判断しましょう。

✅ 4. 信頼できるプロバイダの選び方

同じNTTの回線を使っていても、プロバイダによって通信の安定性やサポート体制は異なります。「v6プラス」や「クロスパス」といった最新の接続方式(IPoE IPv4 over IPv6)に対応しているかどうかも重要な選定基準です。

✅ 5. 工事の内容と所要時間

多くの場合、宅内に新しい光コンセントを設置したり、電柱から光ファイバーを引き込む「派遣工事」が必要になります。工事日は立ち会いが必要で、所要時間は1~2時間程度が目安です。

✅ 6. レンタルできるHGW(ホームゲートウェイ)のスペック

事業者からレンタルされるHGW(ONUとルーターが一体になった機器)には、10ギガ対応のLANポートが1つしかない、といった制約がある場合があります。レンタル機器のスペックは事前に必ず確認しておきましょう。HGWはひかり電話を使う際には必須になります。

✅ 7. 現在使っているサービスの解約違約金は?

乗り換えのタイミングによっては、現在契約している回線の解約違約金(いわゆる「縛り」の違約金)や、工事費の残債が発生する可能性があります。トータルで損をしないよう、事前に確認が必要です。

光クロスをどこと契約するか?

これらを踏まえた上で、どこで10Gbpsの光クロスを契約するかも非常に重要です。当サイトとしては、NTTとの直接契約が一番お勧めではありますが、携帯電話のキャリアとそろえる、いわゆる「光コラボ」にすると、家全体での通信料金の削減にもなります。

王道はNTTとの直接契約です。

※上記2つの代理店はおすすめのNTT代理店です。キャッシュバックが大きいため、自分にあった方を選ぶようにしましょう。

なぜNTTとの直接契約が良いかというと、万が一何かトラブルなどが発生した場合に対応がワンストップで早いという事です。NTTと言えば116番という相談ダイヤルが用意されていて、トラブルの際の工事手配などが直接になります。光コラボの商品だと、いったん携帯キャリアの会社に電話して、そこからNTTに工事手配を行うため、確認にも時間がかかり、

携帯キャリアとのコラボ光

コラボ光の魅力は、やはり「安さ」です。ドコモ、AU、ソフトバンク、楽天などの大手キャリアを合わせて契約する事で月額料金がお得なります。

10ギガの性能をフルに引き出す!周辺機器の選び方【プロが厳選】

回線を契約するだけでは不十分です。私の失敗からも分かる通り、本当の10ギガ環境は、適切な周辺機器を揃えて初めて完成します。

Wi-Fiルーター:WAN/LANともに10Gbps対応が必須

  • チェックポイント: インターネット回線に繋ぐ「WANポート」と、PCなどに繋ぐ「LANポート」の両方が10Gbpsに対応しているモデルを選びましょう。
  • おすすめ: 最新規格の「Wi-Fi 6E」や「Wi-Fi 7」に対応したモデルを選ぶと、無線でもより高速な通信が期待できます。

LANケーブル:「カテゴリ6A(CAT6A)」以上を選ぼう

  • チェックポイント: ケーブルに「CAT6A」や「CAT7」と印字されているものを選びます。迷ったら「CAT6A」で十分です。
  • 注意点: ケーブルの形状には、取り回しやすい「フラットタイプ」とノイズに強い「スタンダードタイプ」があります。長い距離を引き回す場合はスタンダードタイプがおすすめです。

パソコン周り:10GbE対応のLANポートか、変換アダプタを

  • チェックポイント: お使いのPCのスペックを確認し、LANポートが10Gbpsに対応しているか確認しましょう。
  • 未対応の場合: USBやThunderbolt端子に接続するタイプの**「10GbE LANアダプター」**を別途購入することで、10ギガの有線接続が可能になります。

よくある質問(Q&A)

Q. 今使っている光電話やテレビサービスはそのまま使える?

A. はい、多くの場合、10ギガ光クロスに乗り換えても、オプションで提供されている光電話やテレビサービスは継続して利用可能です。ただし、契約プランによっては手続きが必要な場合があるので、申し込み時に必ず確認しましょう。

Q. 工事は必ず必要?無派遣工事になるケースは?

A. すでに宅内にNTTの光コンセントが設置されており、設備が10ギガに対応しているなど、特定の条件を満たす場合は、作業員が訪問しない「無派遣工事」で済むこともあります。

Q. 実際のところ、速度はどれくらい安定している?

A. 平日夜や週末など、回線が混み合いやすい時間帯でも、有線接続であれば安定しています。ただし、これはお住まいの地域やプロバイダの設備状況によって大きく変わるため、あくまで一例としてお考え下さい。

最高のインターネット体験は、正しい知識と準備から

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 10ギガ光クロスは超高速だが、その性能を最大限に引き出すには、ルーターやLANケーブルといった周辺環境の整備が不可欠
  • 特に「Wi-Fiルーターのポート規格」「LANケーブルのカテゴリとHUB」「PC・スマホのスペック」の3つは、速度が出ない原因になりやすいボトルネック。
  • 契約前には「エリア・料金・工事内容・解約金」などをチェックリストで必ず確認し、後悔のない選択をすることが重要。
  • 全ての人に10ギガが必要なわけではない。自分の利用シーンとコストを天秤にかけ、本当に必要か冷静に判断しよう。

10ギガ光クロスは、正しく導入すれば、これまでのインターネットの常識を覆すほどの快適な体験をもたらしてくれます。