ホーム IT トピックス 格安パソコンに搭載されているIntel N5059というCPUはどのような性能か?

格安パソコンに搭載されているIntel N5059というCPUはどのような性能か?

57
0
ノートパソコン 15.6インチ N5095 ノートPC Office2024搭載 サクサクな動作 最大2.9GHz 4C4T 16gb 512gb SSD ノートパソコン Windows11

3万円台でOffice2024付き!魅力的なノートパソコンの実際

AmazonやTemuなどで見かける格安パソコン。3万円台でOffice付きや、3万円を切るものも沢山見かけるようになりました。これらの性能はどうなのか、一般的に利用されているノートパソコンと比べてどれくらい差があるかなどを比較してみます。

今回は以下の一見魅力的なスペックのIntel N5059というCPU搭載と書かれているものを、基本的な仕様から性能、最適な用途、メリット・デメリットまでを詳しく解説します。

結論から言えば、スペックはとても低いので注意

いきなり結論ですが、当たり前ですが、10万円以上するパソコンと比べればスペックは雲泥の差になり、スペックの低いパソコンで、一般的に行われている文書作成や表計算、同時に複数の窓を開いてのネットサーフィンなどを行えば、スピードは落ち、パソコン自体にも負荷がかかってくるため、本体の寿命も短いモノになります。

Intel Celeron N5095プロセッサ

IntelのCPU「Celeron N5095」は、2021年初頭に登場した「Jasper Lake」世代のエントリー向けプロセッサーです。主に低価格なノートパソコンやミニPCに搭載され、優れたコストパフォーマンスで人気を博しています。

主な仕様

Intel Celeron N5095の基本的なスペックは以下の通りです。省電力を意識しつつも、4つのコアを搭載しているのが特徴です。

項目スペック
開発コードネームJasper Lake
コア数 / スレッド数4コア / 4スレッド
ベースクロック周波数2.00 GHz
バーストクロック周波数2.90 GHz
キャッシュ4MB L3 Cache
内蔵グラフィックスIntel UHD Graphics
対応メモリDDR4 / LPDDR4x (最大16GB, 2933MHz)
TDP (熱設計電力)15W
製造プロセス10nm

性能とベンチマーク

Intel Celeron N5095の性能は、一般的な事務作業や日常的な用途において十分なレベルです。

  • CPUベンチマーク: 代表的なベンチマークソフト「PassMark CPU Mark」のスコアは約4,000点です。これは、古い世代のCore i5(第7世代あたり)に匹敵する演算性能とされています。
  • グラフィックス性能: 内蔵のIntel UHD Graphicsは、4K解像度(60Hz)の出力に対応しており、動画視聴には十分な性能を持っています。ただし、3Dグラフィックス性能は控えめで、第5世代Core i5程度とされており、最新の3Dゲームには不向きです。
  • 他のCPUとの比較:
    • Celeron N5105: 同じJasper Lake世代の兄弟モデルです。N5105はTDPが10Wと低く、消費電力と発熱が少ないのが利点です。性能はほぼ同等か、グラフィックス性能などでN5105がわずかに上回る場合があります。
    • Intel N95/N100: 後継にあたるAlder Lake-N世代のプロセッサーです。特にシングルスレッド性能が向上しており、よりキビキビとした動作が期待できます。

最適な用途と不向きな用途

Intel Celeron N5095は、その性能特性から以下のような用途に向いています。

最適な用途

  • ウェブブラウジング
  • YouTubeやNetflixなどの動画視聴
  • Microsoft Office (Word, Excel) を使った書類作成
  • メールやSNSの利用
  • プログラミングの学習(軽量な開発環境)
  • サブPCや子供用のPCとして

不向きな用途

  • 高画質設定での3Dゲーム
  • 動画編集やエンコード
  • RAW現像などの写真編集
  • 複数のアプリケーションを同時に動かすヘビーなマルチタスク

現在の売れ筋・ポピュラーなIntel CPU

現在のノートパソコン市場は、主に以下の3つのクラスのCPUが中心となっています。

【プレミアム】Intel Core Ultra シリーズ (例: Core Ultra 7 155H, Core Ultra 5 125H)

    • 2023年末に登場した最新世代。「Meteor Lake」という開発コードネームを持ち、AI処理を専門に行う「NPU (Neural Processing Unit)」を初めて搭載したことが最大の特徴です。高性能な「Intel Arc」グラフィックスを内蔵し、クリエイティブ作業やゲーム性能も大幅に向上しています。

【メインストリーム】Intel Core i シリーズ (第13世代) (例: Core i5-1335U, Core i7-1355U)

      • Core Ultraが登場するまでの主流モデルであり、現在も多くの標準的な性能を持つノートパソコンに採用されています。高性能なP-core(性能コア)と高効率なE-core(効率コア)を組み合わせたハイブリッド・アーキテクチャにより、優れた処理性能と電力効率を両立しています。

【エントリー】Intel Processor Nシリーズ (例: N100, N200)

        • Celeron N5095の直接的な後継にあたるシリーズです。「Alder Lake-N」という開発コードネームで、高効率なE-coreのみで構成されています。N5095と同じく低価格なPCに搭載されますが、アーキテクチャの刷新により性能は大きく向上しています。

Celeron N5095との性能比較

それでは、これらの現行CPUとN5095の性能差を具体的に見ていきましょう。ここでは代表として「Intel N100」「Core i5-1335U」「Core Ultra 7 155H」を取り上げます。

スペック比較

項目Celeron N5095 (旧エントリー)Intel N100 (現行エントリー)Core i5-1335U (メインストリーム)Core Ultra 7 155H (プレミアム)
開発コードJasper LakeAlder Lake-NRaptor LakeMeteor Lake
コア/スレッド4コア / 4スレッド4コア / 4スレッド10コア / 12スレッド (2P+8E)16コア / 22スレッド (6P+8E+2LPE)
最大クロック2.90 GHz3.40 GHz4.60 GHz4.80 GHz
キャッシュ4MB6MB12MB24MB
内蔵GPUIntel UHD GraphicsIntel UHD GraphicsIntel Iris Xe GraphicsIntel Arc Graphics
AIエンジン(NPU)なしなしなしあり
TDP (代表値)15W6W15W28W

ベンチマークで見る性能差

CPUの総合的な性能を測る「PassMark CPU Mark」のスコアで比較すると、その差は歴然です。

  • Celeron N5095: 約 4,000
  • Intel N100: 約 5,900 (N5095の約1.5倍)
  • Core i5-1335U: 約 19,000 (N5095の約4.7倍)
  • Core Ultra 7 155H: 約 25,000 (N5095の約6.2倍)

結局どのような差になるのか?

Intel celeron N5095と現在の主流CPUとの差は、価格以上の差にが出てしまっていると言えます。それは、パソコン本体の寿命まで加味すると、主流となっているCPUの物を購入した方が長く利用できるという点も含めてのものです。

1. エントリークラス内の進化 (N5095 → N100)

  • 体感できるレベルで高速化: N5095の後継であるN100は、同じエントリークラスでありながら性能が約1.5倍に向上しています。ウェブページの表示やアプリの起動など、日常的な操作がよりスムーズになりました。
  • より省電力に: 消費電力がN5095の半分以下(TDP 15W → 6W)になり、バッテリー駆動時間が長くなっています。
  • 動画再生能力の向上: 最新の動画コーデック「AV1」にハードウェアで対応し、YouTubeなどの動画配信サービスをより効率的に再生できます。

2. メインストリームCPUとの絶対的な性能差 (vs Core i5/Core Ultra)

  • マルチタスク性能が圧倒的: Core i5やCore Ultraは、複数のコアとスレッドを駆使して、多くのアプリケーションを同時に動かしても快適に動作します。N5095ではもたついていた作業も難なくこなします。
  • クリエイティブ作業への対応力: 内蔵グラフィックスの性能が全く異なります。特にCore Ultraに搭載された「Intel Arc」は、軽い動画編集や写真編集、設定を調整すれば多くの3Dゲームも楽しめるほどの性能を持ちます。N5095では困難だった作業が視野に入ります。
  • AI機能による新しい体験: Core Ultraシリーズは、ビデオ会議での高精度な背景ぼかしやノイズ除去、画像生成AIの高速化など、これまでのPCではできなかった新しい体験を提供します。

Microsoft Office2024なのかどうかに注意

Microsoft Office 2024なのかどうにも注意が必要です。Office2024の正規ライセンス費用だけでも4万円ほどするものです。搭載されているOfficeがMicrosoftのものかどうかもしっかり確認が必要です。類似なもので、Open OfficeやLibreOfficeなど、互換はあるものの、Microsoft製品で無いフリーのOfficeが入っている場合もあるので購入前にしっかり確認しておきましょう。

>>Open Office

>>LibreOffice

Celeron N5095は短期間仕様の用途限定PC

Celeron N5095は、登場当時はコストパフォーマンスに優れたCPUでしたが、2025年現在の視点で見ると、その性能は限定的な軽作業向けと言えます。つまり、簡単なウェブの閲覧や、限られた用途にしか利用しないPCとして、そしてそのような用途で1~2年くらい使えればよいという感じでの利用になりでしょう。

もし今から新しいノートパソコンを選ぶのであれば、後継のIntel N100/N200を搭載したモデルで、かつRAMも16GB以上が快適な動作の最低基準となります。さらに、事務作業やオンライン会議、趣味の写真編集などを快適に行いたい場合はCore i5、AI機能やクリエイティブな作業、ゲームまで楽しみたい場合はCore Ultraを搭載したモデルを選ぶことで、N5095搭載PCとは比較にならないほど快適で幅広い用途に対応できるPC体験が得られるでしょう。

Celeron N5095で、かつOfficeを搭載したノートPC