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AIが作る「この世にいない人物」。2つの深層学習によるちょっと怖い写真。

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人工知能が作り出す「居ない人」

いよいよ人工知能がちょっと怖い行動を起こすようになってきました。この世に存在していない人物の写真を自動生成する人工知能サイト「This person does not exist(この人は存在しない)」です。

例えばこの写真。一見普通の写真に見えますが、実はAI(人工知能)が作り出したこの世に存在していない人の顔写真ということになります。

https://thispersondoesnotexist.com/

このサイトにアクセスし、ブラウザの更新を行う(F5キーを押す)ことで、毎回違った人の写真を生成して表示させますが、どれも実在しない人の写真が出てくるというものです。

このサイトに使われている技術

AI、人工知能と一言でいってもその考え方はたくさんの種類に分かれています。主には「予測」と「知識発見」があります。

人工知能のアルゴリズムの中でも機械学習には「教師あり学習」と呼ばれるものと「教師なし学習」というものがあり、教師あり学習では正解となる例を沢山あたえてそれらをコンピュータに学習させることで、未知のデータを与えたときにその正解として教えてきたことに近い答えを導き出すことを目標にしています。大量のデータにより反復して学習を繰り返した中で答えを導き出すという特徴があります。

それに対して教師なし学習は、正解というデータは与えずに、与えた大量のデータの中から規則性を発見して学習していく手法です。

今回の画像認識からの未知の人物の生成は「教師無し学習」の中でも最近注目を浴びているGenerative Adversarial Networks :GANと略されるもので、敵対的生成ネットワークともいわれています。

敵対的生成ネットワークで何が起こっているのか?

GANは2014年に2つのニューラルネットワークを競わせながら学習させるアーキテクチャとして論文が発表されています。(Generative Adversarial Nets : by IanJ goodfellow)

そもそもニューラルネットワークとは人間の脳神経系のニューロンを数値モデル化して人間が考えたり記憶したりするプロセスを真似したものです。

この2つニューラルネットワークというのは、1つはジェネレータと呼ばれるデータを生成するもので、もう1つはそのジェネレータが生成した本物に近いが本物ではないデータを偽物か本物かを見破るための学習を続けるディスククリミネータと呼ばれるものになります。

ジェネレーターは参考データなしに本物に近い画像を作ろうとしていますが、近づけようとしていても偽のデータという事になります。一方でディスクリミネータはそのデータが本当にないもの、つまり偽物と見抜くわけです。しかしジェネレータはそれを更に上回るように本物に近い偽画像を作っていきます。ディスクリミネータはそのさらに上を行こうとする、という学習が繰り返されていき、やがて「本物に近いが偽物」という状況が作られます。

よくも悪くも発達したAI。作者の意図は?

これにより、3Dモデリングやコンピュータグラフィックスの世界には革命的な進化をもたらすと同時に、見分けのつかないフェイクも沢山現れるといわれています。偽のニュースやデマ、偽装紙幣などコンピュータが高度な騙しあいを続けることで、完全に人をだます仕組みづくりも行えてしまうということです。

このサイトの作者であるUberのソフトウェアエンジニアPhillip Wangは「この技術をより多くの人に知ってもらいたい」とオンライン上でこの技術を可能にしたStyleGANというコードをデモンストレートした形になりました。

StyleGANはGPUでお馴染みNVIDIAのコードで、近年画像認識などでGPUの処理が期待されていることもあり、NVIDIAも人工知能の開発に非常に力を入れていて、AI技術の発展に大きく寄与しています。

このサイトをリロードするたびに人の顔が変わるものの、これらは実在しない人であり、他の人工知能が画像判別する際にも他の人と同じように新指揮されないことになります。存在していないリアルな写真を見ていると、なんだか恐怖を感じませんか。