ホーム お知らせ 3Dのバーチャル世界「セカンドライフ」の魅力

3Dのバーチャル世界「セカンドライフ」の魅力

10266
0
セカンドライフ PCカフェ

セカンドライフとは、インターネット上に作られている3次元の仮想空間で、セカンドライフビュアーと呼ばれるソフトをダウンロードすることで、だれでも無料でアバターと呼ばれる自分の分身のような等身大のキャラクターを作成し、世界中の人たちと話をしたり、3次元のデータを作成したりすることが出来るネットワークです。セカンドライフ PCカフェ

セカンドライフは米国リンデンラボ社が

3次元になったインターネットの世界

インターネットといえば、ブラウザと呼ばれるソフトを開いて、検索エンジンで情報を検索し、2次元の「ウェブページ」が開き、掲示板やチャットルームなどが用意されていればそこで文字を使ったコミュニケーションが生まれたりもします。企業などはウェブ上に自社のウェブサイトを用意して顧客サービスや情報提供などを行っています。これらのサービスを利用する場合そのほとんどが無料で提供されているため、ユーザーも気兼ねなく利用できるようになっています。

セカンドライフではそこに3次元の映像が加わります。例えば下の図のように、ユーザーはアバターと呼ばれる自分の分身となるキャラクターを操作して、ネット上に展開されている3次元の仮想空間の中を移動して情報に接触します。セカンドライフ PCカフェ

2次元のインターネットではウェブ上にあるページ内の文字や画像をクリックしてページを移動していきます。自分自身マウスを操作して情報を移動していきますが、セカンドライフでは自分自身の代わりに、インターネット上に「アバター」と呼ばれる匿名の自分の分身を置いて3次元の世界を移動していきます。2次元の世界では情報を探している人同士が「会う」ということは掲示板などが無い限りありませんが、この世界では「会う」という疑似体験が発生します。

セカンドライフ PCカフェ

セカンドライフの世界の中には通常のウェブの世界でいうウェブサイトの代わりに3次元の建物や商品、風景などがあり、それらが公道や海、道路などでつながっています。例えば家具を取り扱う企業であれば、ビルや美しい建物を用意してその建物の中に3Dで作成した自社の家具を展示しておくでしょう。それを3次元のまま見れるのですが、それだけでなく、その商品を他のユーザーもアバターを通じて見ています。そういった他のユーザーとは文字のチャットや音声でも会話ができ、商品について話しをするだけでなく、違うお店などへも一緒に行ってみようなど、他のユーザーとの情報交換がリアルに近い形で行われるのもおもしろいところ。

セカンドライフではどんなことが出来るのか?

セカンドライフは基本的に無料で利用することができます。ウェブでホームページを持つように、自分もこの世界の中で何かを表現したいという場合は、「土地」を手に入れて建物や作品を展示する。その場合土地を借りたり買ったりする場合に費用がかかります。

セカンドライフ PCカフェ

このセカンドライフ内にある建物や風景、自然の草木などは全て利用者であるユーザーが作ったもので、土地を持っている人たちはクリエイターが作った草木を購入してきて自分の土地に置いたり、建物は自分で立てても、中の家具はマーケットで買ってきたりもできます。

やることは自分次第。ゲームでは無い3Dの世界。

セカンドライフはその見栄えから「ゲーム」と間違えられやすいがそれは大きな間違いだと断言できます。この世界には「目的」が設定されておらず、その利用方法はユーザーが自分で決めていきます。友人とアバターを通して会っているかのようにチャットを楽しむのを目的とするもよし、自分で建物を作り、そのデザイン性を見てもらうのもよし、新しい友人を作るもよし、現実世界のシュミレーションに利用するもよし。アイデア次第でいろいろできます。

例えば下の写真では、海の上に作られたカフェの横にボートがあります。これらも全てセカンドライフ内のユーザーが作ったものですが、ここの土地の持ち主は、自分で建物を作ったり、クルーザーは人が作ったものを購入したりして、自分の世界を表現しています。クルーザーには実際に乗船可能で、もちろんこの世界の中にある海で動かすことができます。クルーザー上でユーザー同士がチャットを楽しみながら航海を楽しむ事もできるわけです。

セカンドライフ PCカフェ

セカンドライフの世界でできることをまとめると以下のとおり。

  • ■自分自身の代わりとなるアバターと呼ばれるキャラクターを持つ。
  • ■アバターの容姿、服装などは自由に編集が可能。
  • ■アバター同士は文字や音声でチャットが出来る。
  • ■セカンドライフ内で使うものなどは自分で作成できる。
  • ■パソコンで作ったデータをセカンドライフに持ち込む事が可能。
  • ■自分が作った作品は販売が可能。人が作ったものは購入可能。
  • ■購入する場合にはセカンドライフ内の通貨リンデンドルで支払い。
  • ■リンデンドルは日本円からの換金が可能。(有償)
  • ■セカンドライフ内で販売などで稼いだリンデンドルは現金化が可能。(有償)
  • ■ビジネスでの利用が自由に可能。販売レンタルなどセカンドライフ内でのサービス提供などは原則自由。
  • ■土地を持つことができ、その中でアバターを通じて3Dデータの作成が可能。
  • ■スクリプトなどを埋め込み、作品に機能を持たせる事が可能。

大きな特徴として、ビジネスで活用できるという面です。セカンドライフを運営するリンデンラボ社が提供するのは、土地(いわゆるサーバー)だけであるため、基本的に中のコンテンツは全てユーザーが作ったもので構成されています。風景、建物、植物・草木、地形などすべてをユーザーが作っています。現実の世界で起こっているようなことは、全てビジネスとして成り立つ要素をもっていて、かつこの世界ならではの新しいサービスや製品をユーザーが自由に考えてだれでも自由にそのサービスや商品の提供を始めることができます。パソコンで様々なデータ作成ができるクリエイターの方ならその技術を活かした作品の作成と販売が可能でしょう。特にそういった技術が無い方は、自分でセカンドライフ内でできるサービスを考えて提供できるかもしれません。例えば先のクルーザーの例なら、クルーザーの運転手はお小遣いを手に入れることが出来るかもしれません。

得にビジネスで利用しない人は、それらビジネス展開している人たちが、様々な3Dの体験を用意してくれます。それらを利用するだけでも相当楽しめます。

一生かかっても回りきれないと言われているセカンドライフの世界

PCカフェ セカンドライフ

セカンドライフの世界は非常に広い世界になっている。土地の1つの区切りとしてシュミレーターというものが用意されており、SIM(シム)と読んでいる。現実の世界で言うと、250mX250mの土地の広さを1つの区切りとしているが、すでに数えきれないSIMの数が連なり、その中に世界中のユーザーがたあらゆる景観や建物、サービスを展開しており、SIMを周るだけでもおそらく成人したばかりの人間が一生かかっても回りきれないほどの広さまで広がっています。 リンデンラボ社が提供しているのは、土地と水(海)などの最低限の環境条件のみで、あとの中身はすべてユーザーが作っています。これはネットの世界で言えば、インターネットというインフラがあり、その中のコンテンツであるウェブページと同じで、セカンドライフというインフラをリンデンラボ社が提供し、ユーザーが3Dの様々な作品を制作してその世界観をそれぞれ展開している。

最も簡単に3次元データを作成できる

セカンドライフのスバラらしいところは、自分の思った3Dの作品を短時間でしかも簡単に表現出来る点である。通常パソコンの中で3Dの作品をつくろうと思うと、3D CADソフトの使い方を覚えなければなりません。しかしこれらはなかなか高度で簡単には3D作品を作ることはできません。

その点セカンドライフでは無料アカウントでも最初から作品の制作機能が搭載されており、だれでも直感的に作成が可能。CADでデザインなどを行っている人たちもイメージを作るために先にセカンドライフで制作をしてそれからCADで正確な図面を制作する人たちも多くいます。

セカンドライフでは、下図のように四角い「プリム」と呼ばれる箱を突然その場に作成でき、これらを伸ばしたり、形を変えたり、色を変えたりして作品を作っていきます。

PCカフェ セカンドライフ

操作も直感的で、自分が作ったテクスチャなどをアップロードして側面に貼り付けたりすることも可能。最初に少しは操作を覚えなくてはいけないものの、おそらく自分の頭のなかにあるものを最も簡単に形にできる3Dオーサリングソフトとも言える。パソコン内の3Dデータを作成する「BLender」「Shade」などで作った作品もこの世界の中に持ち込む事が可能です。

日本では2007年ごろに一度ブームが起こっている。

セカンドライフの歴史は意外と古く、実は日本でも2007年ごろセカンドライフのブームがおこりました。当時はニュースなどでもセカンドライフ内の土地が値上がりしそれを転売して、数百万円規模で稼いでいる日本人がいるなど報道されていました。大手企業も電通などを通じてこの世界でのPR活動などを行なっていました。世界中の人々が利用しているソーシャルでもある三次元仮想空間ですが、当時は非常にスペックの高いパソコンでないと動かなかったり、日本人ユーザーの利用者数の少なさ、セカンドライフ内でできることの少なさや日本語対応の遅れなどからユーザーが激減してしまいました。クリエイターの人など技術を持った人やコアなユーザーが残ったといえるでしょう。

新しい時代に見つめなおされているセカンドライフ。その可能性。

現在では低価格なパソコンやスマートフォンなどでも動作するようになり、また3Dでの表現力も非常に高くなってきたため、すこしづつ日本人ユーザーが戻りだしています。3Dプリンタなどの登場により、セカンドライフ内の作品を3Dプリンタで出力するなどの動きもできてきています。

PCカフェ セカンドライフ

また、インターネットを通じてアバター同士がつながるため、低スペックなパソコンで動くようになった今、ウェブサイトのプラスアルファのサービスとしても再注目され始めています。特に、中小企業などでは多くの使い道が期待されています。

例えば上図のような家を作った場合、中小企業の工務店などではなかなか現実社会に住宅展示場などを用意できないが、3Dの世界でこういったデータを作成しておき、お客様にアカウントを作ってもらうもしくはアカウントを渡すことで、実際にこの中をアバターを通して診てもらうこともできます。英会話なら、アバターを通してオンライン英会話を、スカイプとは一味違い、空港のシーンならそのシチュエーションを要してリアルに学ぶこともできるでしょう。

クリエイターはそういった中小企業の参入により、それらを装飾するための景観やアバターの洋服・服装などの需要が今よりも増え、また新しいビジネスのつながりのチャンスもできることでしょう。

様々な可能性を秘めたセカンドライフ。今ようやくユーザーの環境が揃い、いよいよ現実を補完する素晴らしいインターネットの仮想世界の発展が期待されます。

ブームも去り、大手企業も撤退した今、どれだけコンテンツや一般ユーザーへのサービスが誕生してくるかが大きなカギとなるでしょう。

[ad#g]